環境汚染や貧困… 社会課題の現場を“360度映像”で映しだすリコーの想い【SDGs】

2021年6月30日 20:26更新

東京ウォーカー(全国版)

目次

  1. SDGsってなに?
  2. 360度映像が映し出す「社会課題の現場」
  3. 360度映像でSDGsへの理解促進につなげる
  4. 誰も取り残されない、平和で安全な社会を目指す
現場の状況を“360度映像で理解できる”コンテンツを制作

360度映像が映し出す「社会課題の現場」


――リコーは現在、国際的な非営利団体「コペルニク」(※)と連携して、社会課題およびSDGsへの理解を深め、その解決策を生み出す“きっかけづくり”に取り組まれています。一緒に取り組むようになったきっかけを教えてください。 ※コペルニクは、途上国で最も支援が届きにくい地域(「ラストマイル」 と呼ばれている)において、貧困削減に繋がる革新的なテクノロジーの開発、検証、普及に取り組んでいる。

【広報担当者】始まりはコペルニクでした。彼らが環境汚染や貧困などをはじめとする社会課題現場の360度映像をポータルサイト 「VR for SDGsプラットフォーム」 で公開しており、リコーとしてもその活動に賛同し協力することになりました。

――SDGsをどう実践していくのでしょうか。

【広報担当者】2021年1月に、インドネシアにおける「社会課題の現場を360度映像で捉えるVR for SDGsキャンペーン」を実施しました。これは、社会課題に直面する人々の現場を360度カメラ「RICOH THETA」で撮影し、インドネシアの若年層をターゲットに「SDGsをテーマにした動画」を募集するキャンペーンです。応募者の中から優秀な参加者3名をフェローとして選出。その動画を「VR for SDGs」で公開しています。今後、これらのコンテンツは企業や教育機関でグローバルに活用されます。 

【画像】インドネシアのゴミ廃棄場を「RICOH THETA」で撮影。リトルプラネット式に編集することにより、青空と廃棄場とのコントラストが“社会問題”を浮き彫りに
インドネシアの島しょ部へアクセスする際、ボートでの移動が必要であることを伝えるための撮影風景。島しょ部にて、必要とされる製品のヒアリングと紹介を行う活動の一環
インドネシアの農村部にて、水やエネルギーの課題についてのヒアリングを行っている様子。課題によって、必要なソーラーライトや浄水器を普及させる活動の一環


また、4月から開始した第2弾では、国連ボランティア計画(UNV)とも連携し、対象地域を限定せず、社会課題の現場を捉えた360度動画コンテンツを「VR for SDGsプラットフォーム」に掲載しました。こちらも第1弾と同様に、コペルニクが連携する企業のリサーチ活動や、大学などの教育現場で活用するほか、オンラインイベントも開催し、動画を紹介・解説していきます。

360度映像でSDGsへの理解促進につなげる


――こうした取り組みを始めた経緯は?

【広報担当者】リコーとしては長らくSDGsに取り組んでおり、2020年には日経SDGs経営大賞で大賞を受賞していますが、「360度カメラRICOH THETA」を扱う事業部門としてもSDGsに積極的に貢献したいという思いがありました。そんなときに、コペルニクが「RICOH THETA」で撮影した360度映像を活用して「VR for SDGsプラットフォーム」を開発することになり、リコーにお声掛けいただいたことがきっかけです。

コペルニクは既にメルボルン大学(オーストラリア)やガジャ・マダ大学(インドネシア)などで360度映像を使った授業の実証実験を行っており、360度映像で伝えることの効果の高さを実証していたため、これを拡充していくことでSDGsへの理解促進につながると考え、パートナーシップを結んでいくことを決めました。

【写真】メルボルン大学とガジャ・マダ大学の学生が「VR for SDGs」の写真をVRゴーグルで見ながら、コペルニクから授業を受けている様子


――「RICOH THETA」を活用するという取り組みはリコーならではですね。SDGsを実践してどのような反響がありましたか?

【広報担当者】社会課題解決に取り組む国際機関から同様の取り組みを連携したいと問い合わせをいただくなど、社会課題の現場を360度映像で伝える価値を活用しようとする団体が出てきて広がりを感じています。

誰も取り残されない、平和で安全な社会を目指す


――SDGsの取り組みの先に目指す社会はどんな社会でしょうか?

2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で「leave no one behind」と誓っている通り、誰も取り残されることがなく、進展した技術を享受し、平和で安全な生活が送れる社会を目指します。そのためには、個人、企業、あらゆる団体、機関が現在世界各地で発生している社会課題を理解し、解決に向けた行動を取ることが重要です。その理解促進のために360度映像が活用できると考えています。

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リコーグループのサステナビリティ:https://jp.ricoh.com/sustainability/sdgs

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引用: 東京ウォーカー(全国版)

リコーグループのサステナビリティ

基本的な考え方
ビジネスの力で持続可能な社会を実現

リコーグループは、「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という創業の精神(三愛精神)に基づき、「世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、生活の質の向上と持続可能な社会づくりに責任を果たす」ことを使命としています。

リコーグループは、目指すべき持続可能な社会の姿を、経済(Prosperity)、社会(People)、地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている社会「Three Ps Balance」として表しています。この目指すべき社会の実現に向け、「事業を通じた社会課題解決」「経営基盤の強化」「社会貢献」の3つの活動に取り組み、国際社会で合意された「持続可能な開発目標(SDGs)*」の達成に貢献していきます。

* 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)
国連で合意された2030年までの世界的な優先課題および世界のあるべき姿を定めた世界共通のゴール。17の目標と169のターゲットで構成される。

サステナビリティ推進体制

環境・社会・ガバナンス分野におけるリコーグループの中長期的な課題を経営レベルで継続的に議論していくため、2018年5月にESG委員会を設置しました。ESG委員会はCEOを委員長とし、グループマネジメントコミッティ(GMC)メンバーと監査役およびサステナビリティ担当役員から構成されます。サステナビリティ推進本部が事務局を務めています。四半期に一度開催される委員会では、議論するテーマに応じて事業部門の責任者を招集し、サステナビリティ課題を横断的に検討・議論していく体制を整えています。

ESG委員会の役割

  1. SDGsへの取り組みなどビジネスを通じた社会課題解決を経営の根幹に据えるためのリコーグループサステナビリティ戦略の策定
  2. グループ全体の中長期的なサステナビリティリスク・機会および重要課題の特定(TCFD*で求められる気候変動リスク・機会に関する投資判断等)
  3. グループ全体のサステナビリティ戦略/重要課題/各事業部門のKPIの進捗状況の監督および助言
  4. 取締役会で審議すべきサステナビリティ課題の特定と取締役会への上申

* TCFD
気候関連財務情報開示タスクフォース。⾦融安定理事会(FSB)によって設⽴され、企業に対する気候関連リスク・機会 の情報開示の促進と、低炭素社会へのスムーズな移行による⾦融市場の安定化を目的としている。

2019年度 ESG委員会審議事項

第1回・リコーにおける気候変動リスクと機会討議
・SDGs社会KPI設定について
第2回・リコーにおける気候変動リスクと機会討議
・SDGs社会KPI設定の承認
第3回・環境目標の見直し(1.5℃目標への対応)
・サプライチェーンにおけるESGリスクマネジメント
第4回・ESG評価向上に向けた取り組み強化
・20次サステナビリティ基本方針・主要戦略概要と環境目標の見直し(1.5℃目標への対応)
第5回・20次中期経営改革 サステナビリティ主要戦略検討

引用: リコーグループ

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