“古民家”の宿 新スタイルにニーズ

THE TIMELESS HOTEL LOOF

NHK2021年10月11日 午後1:59 公開

緊急事態宣言は9月に解除されましたが、観光業は厳しい状況が続いています。こうした中、過疎化が進む地域の古民家を使った宿泊施設が注目されています。

「接触避けたい」ニーズにマッチ 1棟貸し切りの宿

200世帯ほどが暮らす山梨県笛吹市芦川町。その一角に築100年、1棟貸し切りの宿があります。空き家となっていた古民家をリノベーションしてモダンな空間を演出しています。

チェックインはタブレットを使って完全非接触で行い、冷蔵庫には食材が準備されています。

経営しているのは、地元出身で、運営会社「るうふ」社長の保要佳江さんです。ふるさとを元気にしたいと、7年前にUターンして事業を立ち上げました。

宿は極力接客を行わず客のプライベートが保てるようにして、保要さんが泊まりたいというスタイルを形にしたといいます。

価格は1人1泊2~3万円。「旅行はしたいけれど人との接触は避けたい」というニーズを捉え、家族や友達連れなどの利用が増えていて、予約率はコロナ前に比べ3割ほど伸びているといいます。

保要さんは「年配の方や小さなお子様がいる家族など、(人との接触を)すごく気にされてくる。ちょうど今の時代にマッチした」と話します。

宿を地元産品の“ショールーム”に

旅行客に向けて、宿の外に出なくても山梨を楽しめる工夫も凝らしています。宿の品々に地元産のものを用いて、“地域のショールーム”にしたのです。

例えば、部屋に置かれたマグカップは老舗瓦店とコラボして作ったもの。ワインは宿の食事に合わせて厳選した山梨産で、地元の人が一目置くワイナリーから入手しました。

こうした品には2次元コードがつけられていて、スマホで読み取ればネットで購入できます。宿で実際に商品を使い、気に入って、お土産として購入する客も増えているそうです。

保要さんは「地域のことをより知ってもらえる。旅行の楽しみが増えるんじゃないか」と話しています。

「思いのある若者が活躍できるブランドに」

保要さんが運営する古民家の宿は山梨県内で6軒にまで増えました。35人いるスタッフの半数がIターンやUターンで移り住んできた人たちで、宿の運営が地域の活性化にも一役買っています。

保要さんは「ここでもちゃんと稼げるし、魅力的な仕事ができるというのを形にしたい。思いのある若い人たちが、その地域でも(活躍)できるブランドを作っていきたい」と話していました。

保要さんは今後5年で宿を20軒ほどに増やすことを目標にしているそうです。

(甲府局 ディレクター 櫻井陽子)

【2021年10月11日放送】

引用:NHK

ユニークな古民家の宿で地域を元気に

2021年10月7日放送 10:45 – 10:50 NHK総合
未来スイッチ (未来スイッチ)

山梨・笛吹市の山あいにある人口300人ほどの芦川町にある古民家が、他人と直接接触しない“完全非接触の宿”として若者たちの注目を集めている。

1日1組限定で1棟を貸し切って宿泊でき、中は無人。タブレットが一台ありスタッフはリモートで対応する。食事も冷蔵庫に用意された食材を使い自分で調理する仕組み。

宿を経営する社長・保要佳江さんは芦川町出身。東京の大学を卒業後飲食業に携わっていたが、同世代の若者は仕事もなく出ていってしまい人口は減る一方だった。若い世代の人口流出は全国的な課題となっていて、地方圏の人口減少に対して三大都市圏の人口は増加している。
地域に賑わいを取り戻したいと保要さんは空き家となっていた古民家を改装し、おしゃれな宿としてオープンした。コンセプトは「自分が泊まりたい宿」。

タブレットを導入しスタッフを置かないことでプライベートな空間を提供している。さらに地域のショールームを設置。笛吹市の瓦店が作ったマグカップなどの小物、甲府市の人気店とコラボしたコーヒー、ワインや家具など地元や県内産にこだわった。スマホとバーコードでその場で購入できる。

保要さんに賛同し宿で働きたい若者が増えていて、26名のスタッフのうち7割が県外からの移住者だという。保要さんは「そこにしかない資源を使って、価値を生み出してそこで活躍して働く若い人をもっと増やしていきたい」と語った。

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